クーパーSとクーパーSDのコスト比較
前回の記事ではF55MINIのクーパーSとクーパーSDを実際に見比べてみて、音や振動、乗り味の違いというものをまとめてみました。
昨今のガソリン価格の高騰もあり、燃費が良く軽油を使用するため燃料代も安いディーゼルエンジンのクーパーSDに魅力を感じていました。ここではガソリンモデルのクーパーSとクーパーSDのイニシャルコストとランニングコストを比較したいと思います。
なお、前提条件としては支払いはクローズタイプの残価設定ローンを使用し、5年間乗るということを前提とし、年間の走行距離は5,000キロとします。税金の項目に関しては法制度の見直しで変更になる場合がありますのでその点はご了承ください。
燃料代に関してはハイオクガソリンは170円/L、軽油は135円/Lとし、クーパーSは10km/L、クーパーSDは15km/Lとして計算してみます。
クーパーS | クーパーSD | 差額(②-①) | |
車両本体価格 (消費税込) | ¥4,140,000 | ¥4,270,000 | +¥130,000 |
環境性能割 | ¥67,700 | – | -¥67,700 |
重量税(購入時) | ¥36,900 | – | -¥36,900 |
重量税(車検時) | ¥24,600 | – | – ¥24,600 |
燃料代 | ¥425,000 | ¥ 225,000 | -¥ 200,000 |
5年後残価 | ¥1,332,181 | ¥1,493,454 | +¥161,273 |
合計 | ¥3,362,019 | ¥3,001,546 | -¥360,473 |
税制面でもディーゼルがお得
5年間の維持費を本体価格と違いが出る諸税、燃料代で比較してみました。
5年後の残価についてはBMWジャパンおよびファイナンスで決めた物となっています。これを見るとメーカーとしても5年後に関しては『ガソリンモデルよりもディーゼルモデルの方がリセールが良い』と判断している模様。この点から見るとディーゼルでもガソリンでも月々の支払額は“変わらない”といえます。
他の部分を比較してみるとクリーンディーゼル車は国のCEV補助事業の対象になっているため、国が推奨しているクリーンなエンジンということで補助金が出ます。購入時では以前取得税と呼ばれていた『環境性能割』と『重量税』が全額免除。これに併せて1回目の車検時に払う2年分の重量税までも免除になります。
車を購入するには多くの税金を支払う必要がありますが、この環境性能割と重量税の免除は5年間で約13万円のメリットがあることになり消費者側としては非常に大きなメリットになると言えます。
ディーゼルは燃料代が大きなメリット
もはや言うまでもないですが、ディーゼルエンジンを選ぶ大きなメリットは燃料代の安さです。
ハイオクと比較すると1リットルあたり35円程度安く入手することができます。また、ディーゼル車は走行環境にもよりますがガソリン車よりも燃費に優れており、特に長距離を走ることが多い人には非常に大きなメリットに。上記の試算表は年間5,000キロという数値で作成しましたが、年間の走行距離が多い人にはさらに多くのメリットを生み出してくれるのは間違いありません。
通勤で毎日流れの良い道路を片道10キロ以上走るという使い方であればハイブリッド車よりも大きな恩恵を享受できるのではないでしょうか。今後電気自動車へのシフトがどうやら確実といわれていますが、社会インフラの整備等も考慮するとまだまだ先という感じもあり、都市部でのストップ&ゴーが多い使い方であればハイブリッド車、郊外や長距離での使用がメインの利用であればディーゼルという選択肢が理想的といえるかもしれません。
最後は自分の好みで
上記の試算の通りとなれば5年間で同じ使用環境でも約36万円の差が出るということは正直驚くべき内容であり、その差額で燃料代はゼロで乗り続けれれるとも考えられます。
車を維持するうえではたくさんのお金が掛かります。それを考慮して経済性を重視した車選びをするのはとても自然なことであると考えます。しかし、MINIを購入しようとしている人は一概にコストだけを考えて車選びをしているわけではないでしょう。
MINIがある生活を通しての日々のQOLの向上であったり、ゴーカートフィーリングを味わうことで日々の嫌なことから解放されることなど単なる“移動手段”ではないMINIならではの『価値』を購入したいと感じ出る人が多いのではないでしょうか。今回の車選びでも上記のようなコストメリットがあることを重々承知したうえでガソリンモデルの購入となりました。
MINIは基本モデルの3ドア、5ドア以外にもクラブマンとクロスオーバー、それにコンバーチブルも用意されています。最上位モデルにはジョンクーパーワークスも存在し、どれが自分に合ったモデルかを探すことも車選びの楽しみでもあります。
まずは実車をじっくり見比べてみて、その後はパワートレーンの違いについてはじっくり試乗して決めれば必ずや良い結論が出ると思います。
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