以前のブログでレクサスがメルセデスを始めとした欧州のプレミアムブランドに走行面での適わない点を指摘しましたが、オーナーとして一番残念に思っているのはブランド戦略に一貫性が無いことです。
レクサスのグレード構成は基本的には簡素な装備のベースグレード、本革シートや安全装備が充実したバージョンL、メッシュタイプのフロントグリルにエアロパーツ、手が入った足回りが搭載されるFスポーツの3本立てとなっている車種が多いですよね。
レクサスのサイトを見るとFの系統は頂点に“F”のフラッグシップであるLFAが存在し、次点に“Fモデル”であるRC-F、その下に各種の“Fスポーツ”となっています。
しかし、LFAは2012年に販売終了、RC-Fは2014年に発売されその後手直しがあったものと思われますが全く売れてない車種です。LFAが存在しそのDNAがFモデルに踏襲され、さらにそのDNAが各Fスポーツモデルに脈々と流れているなら理解できますが、頂点はすでに9年前に販売終了、次点のモデルも虫の息。そうなると各モデルのFスポーツの中途半端さが非常に目に付きます。
ここでもメルセデスとの比較になりますが、メルセデスは頂点にF1があり他にもDTMなどモータースポーツを頂点とし、市販車部門にAMGモデルが存在しています。AMGもでるもほとんどのモデルを網羅しており、各グレードのトップレンジがAMGモデルというわけですね。
そこには売れるか売れないかという考えではなく、各モデルにAMGというブランドのハイパフォーマンスモデルを必ず出すという心意気があるということです。
一方レクサスはどうでしょうか。頂点は販売終了したLFA、次点に古くて売れてないRC-F。モータースポーツもやっていません。これではFスポーツの中途半端さが目に付いてしまいますね。
LFAはいまだにプレミア価格で流通するようなモデルですし、ヤマハが参画したと言われているエキゾーストノートはまさに天使の咆哮です。そうやって自分たちが作り上げたものをそこで終わらせてしまうのはとてももったいない気がしてしまいます。LFAに代わるフラッグシップモデルを販売し続ける必要があると思いますし、売れないと分かっていても各モデルに“〇〇ーF”を作って販売する必要があると思います。当初はLC-Fの構想もあったそうですが、『採算が取れなそうだから』との理由で廃止になったそうです。担当の営業さんも「LC-Fが出たら2名のお客様が購入したいと言っていたのですが・・」とのことなので本当に資産の無駄遣いをしてるように思えます。
トヨタが行っている頂点のモータスポーツ活動はWECのハイパーカーシリーズです。過去にもル・マンにも参戦しあのフェルナンド・アロンソを擁して優勝をしました。そのシリーズになぜレクサスブランドで参加しないかが大いに疑問でしたね。世界三大レースにはトヨタで参加し、日本のガラパゴスシリーズのGT選手権ではレクサスブランドで参加。トヨタが本気で世界のプレミアムブランドと渡り歩いていく覚悟がないと思えてしまう要因の一つです。
欧州プレミアムブランドに肩を並べたいのなら、まずはWECにはレクサスブランドで参加(高級腕時計メーカーとのタイアップがあれば尚好し)、スピンドルグリルとL型のデイライトを模した車両で参加しそこでレクサスブランドを訴求し、レクサス=WECで好成績を残しているメーカーだと欧州のファンにも認められ、その後は各モデルのFモデルを販売する。そしてその流れをFスポーツに繋げていく。
最近発表になったモデルは、「IS 500 F Sport PerformanceI」。レクサスの三角形のFスポーツとFモデルの中間に位置するポジションのクルマですね。目標とする三角形が出来ていないにも関わらず“超中途半端”としか思えないグレード。それならもう少しリソースを割いてしっかりとした三角形の真ん中に位置する「IS-F」として発表してほしかったなと思います。
時間は掛かりますが、今までの成功体験をその時点で終わりにしたり、儲からなそうだからやらないといったトヨタらしいことはすぐに止めて、今すぐブランド価値向上に繋げていってもらいたいと思います。
それがレクサスを3台買って今も大切にしているオーナーの意見です。
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