革靴の最初の1足目は黒のストレートチップを選ぶ必要は無し Uチップでもプレーントゥでも気に入ったものを選ぼう

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就職活動や 新入社員としてどのような靴を用意すべきか、のような雑誌の企画等でまず真っ先に挙げられるのが“黒のストレートチップ”です。ストレートチップというのは内羽根の靴にキャップ部分に一本の切り替えがある靴を指し、オペラパンプス等を除いた場合に最もフォーマルな靴と言われています。

さて、果たしてストレートチップが本当にフォーマルで万能な靴と言えるのでしょうか。その点も踏まえて過去にストレートチップを何足も購入してきた自分の意見を記してみたいと思います。

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「最初の1足はストレートチップ」は正解なのか

もはや言い尽くされている表題の言葉ですが、果たして黒のストレートチップを必ずしも最初に購入する必要があるのでしょうか。

個人的にはその必要は全く無いと考えていて、内羽根や外羽根のプレーントゥ、Uチップやクオーターブローグでも『あまり派手ではなく悪目立ちしない靴』であれば問題無いと思います。黒い靴できちんと手入れをしていればどこに行っても恥をかくことはありません。

冠婚葬祭にはストレートチップを履くべきとの意見もありますが、おおよそ結婚式の披露宴で黒のストレートチップを履いている人を見かけることはほぼ皆無です。

これは葬儀の時も同様であり周りを見回してみてもいつも仕事で履いているであろう“餃子靴”であったりウォーキングシューズのような靴。若い人はローファーのような靴に金属のパーツが付いている靴を履いている人ばかりです。なので必ずしも“黒のストレートチップで参列しなければならない”わけではなく、その場にふさわしい常識的な靴を履いていればプレーントゥでもUチップでも社会人失格の烙印を押されることは無く、恥をかくことはないということです。

これを言ってしまうと元も子もありませんが、“誰がどんな靴を履いているかなんて誰も気にしてない”ということであり、悪目立ちしないようにすれば良いだけの話なのです。つまりは“身だしなみ”の話というわけです。

Uチップ(出典:ロイドフットウェア)
プレーントゥ(出典:ロイドフットウェア

堅苦しい決め事が間口を狭くする

ライフスタイルの変化

自分の記憶でももう20年以上言われている“初めの1足は黒のストレートチップ”ですが、新入社員や部署が変わって革靴が必要になった人が革靴選びで迷わないようにするという指標としては良いのかもしれません。

しかしこの20年間で社会環境や労働環境も大きく変わっており、クールビズの導入からIT企業の事業拡大、テレワークの普及によりスーツを着て仕事をする人の割合が少なくなってきています。

そういった中で普段スーツを着ない人が冠婚葬祭用に年に数回履くか履かないかのため黒のストレートチップを用意するのはあまり現実的ではないのではないでしょうか。

冠婚葬祭だけではなくせっかく持っているなら休日のキレイ目な格好に合わせてみたり、時にはジーンズに合わせられるようなUチップやセミブローグを1足持っている方が靴箱で眠っている靴を減らせられるのではないかと思います。

いずれ黒のストレートチップが欲しくなる

“最初の1足は黒のストレートチップを買うべき”と主張する靴屋さんにその理由を尋ねても、『海外では一番フォーマルとされている形だから』程度の回答しか返ってきません。革靴好きとしては履かない靴を持ち続けるのはとてももったいないと考えており、ある程度履き回しが効くような靴を最初に購入し靴が好きになれば、一番シンプルな黒のストレートチップのシンプルな見た目やストイックさに魅力を感じて興味を持つようになると思います。

日ごろから革靴を履くスタイルが自分自身に定着し、メンテナンスや修理にも興味が湧いてきショップに足を運んだりインターネットで靴のことを調べるようになれば、自分の目で靴を選ぶことができるようになっていると思います。

まず最初にとりあえずで買った黒のストレートチップよりも、自分でしっかりと選んだ2足目のストレートチップの方がより魅力的な靴になるでしょう。

つまりは“最初の1足は黒のストレートチップ”というようなステレオタイプな決め事が、革靴を購入するきっかけとなる就職活動や社会人になりたての人にたいして堅苦しいイメージを与えてしまい、革靴は難しいものだというイメージを植え付けてしまうとではと考えています。

黒のストレートチップは合わせづらい

バシッとスーツを着てネクタイを締めて黒のストレートチップを履くと気が引き締まって集中力がますような気がしますが、もはや1年の半分がクールビズの期間であったりジャケパンスタイルになったりした場合には非常に合わせづらい靴となってしまいます。

個人の感想になりますが、シャツにスラックスだけの盛夏のクールビズスタイルには黒のストレートチップは足元が重くなりすぎます。同様にネイビーのジャケットにグレーのスラックスをノーネクタイで合わせるような場合でも合わせづらいと思います。カジュアルには言わずもがなで、休日にジーンズに黒のストレートチップという組み合わせは相当なオシャレ上級者以外は『仕事で履いてる革靴しか持ってない人』にしかなれないのです。実際に自分自身も黒のストレートチップの出番は最近は大幅に減っています。

フォーマル度が高い靴はそれだけ履けるシチュエーションも限られてくるので、年間を通して履き回しができるUチップやプレーントゥを初めに持っておき、内羽根の靴が必要になれば買い足せば良いと考えています。

個人的にはセミブローグのチャーチのディプロマットの黒とダークブラウンを2足揃えればどこに行っても、極端なカジュアルスタイルを除いたどんな場面でも困らない最強のモデルだと考えています。

まとめ

革靴に興味を持ちショップに通ったりインターネットで色々調べているうちに、黒のストレートチップが気になってくることは間違いないと思います。ストイックで普遍的な美しさを持ち、ジョンロブではシティ、エドワードグリーンはチェルシー、チャーチにはディプロマット等各社を代表するモデルが勢揃いしています。

伊勢丹を初めとする上記モデルを全て取り扱っているショップでそれぞれを見比べてみたり試着してみたり比較検討することはとても興味深く面白いことでもありますし、どんどん革靴に対して興味が湧いてくるのではないでしょうか。

この記事で言いたかったのは“有識者”の頭ごなしの意見は参考程度に、まずは履き回しが利く革靴を購入し休日にも革靴を履く回数が増えて接点を持ってもらいたいのと、それから革靴に興味が出てきたら初めてストレートチップの購入を検討すれば良いということです。

そうすれば革靴に興味を持たなかった人も合わせやすい靴が手元に残りますし、興味が出た人は人に勧められたものではなく自分の意思で気に入った黒のストレートチップを入手することができるからです。

『革靴はサイズ小さめが良い』とか『最初の1足目は黒のストレートチップ』とか、初心者に対する押しつけがとにかく多いのが靴の界隈です。そういった意見に惑わされず足に合った靴をしっかりとメンテナンスをして、革靴好きが増えてくれると嬉しいです。

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